【乗り納め】JR奈良線の103系は残りわずか。205系の置き換えが進む【撮り納め】
僕は久々に関西方面を訪れた。目的は和田岬線103系の乗車と撮影、姫路城や京都の寺社仏閣訪問など訪問目的はいろいろあったが、その中の1つに引退間近と言われるJR奈良線の103系乗り納めというのがあった。
1年半ほど前の記事に書いたとおり、奈良線の103系に引退・廃車の動きがあることを僕は知っていた。
103系は、僕が子供のときに最も頻繁に乗った車両であり、それだけに思い入れのある形式である。しかし103系は、関西本線や播但線、加古川線などにも相当数の生き残りがいるものの、大阪環状線や阪和線などの大所帯が昨年から今年にかけて姿を消したことから、稼働両数としては大きく減らしている。
阪和線に最新鋭の227系が大量に投入されたことで、余剰となった103系は廃車、205系は活躍の場を奈良線に移し、奈良線の103系の置き換えを進めているのである。
阪和線から転属してきた205系。みかんの名産地である和歌山県方面のイメージで、先頭車の前面のスカイブルー帯の下部に細いみかん色の帯が確認できる。
この車両移動の結果、奈良線で活躍してきた103系の本数は、僕の把握する限りでは残りわずか2編成となった。そんな状況であったから、今回の数日間の京都滞在において、1編成でも駅撮りできたならば御の字であるように思えていた。
京都駅に入選する奈良線221系。近郊電車の形式ではあるが、205系とあわせて普通電車としても運用される。
この日僕は、宇治の名刹である平等院、その近隣にある十三重石塔(宇治の十三重石塔は日本一の高さを誇る)、そして平等院の境内神社である縣神社を訪問していた。
平等院周辺の散策を完了し、奈良線の宇治川橋梁を見渡せる宇治橋へと向かう。宇治川橋梁は単線のシンプルなガード桁橋であり、構図も開けていることから、有名な鉄道撮影スポットでもある。川床は浅く、水質も悪くないようで、川釣りを楽しむ人の姿もある。
宇治川橋梁を渡る奈良線221系。列車種別は判別できなかったが、6連の運用のためおそらくみやこ路快速の運用だろう。
宇治川橋梁を渡る奈良線205系。こちらは103系を置き換えて普通電車として運用される。これらはもと阪和線でスカイブルーの103系とともに運用されていた編成である
せっかくなので103系にあわせて帯をウグイス色に塗り替えてもよいと思うが。そうしたら往時の山手線を想起させるようなビジュアルになって、懐かしさが増すのであるが。完全に俺得というやつなので、JR西日本にそれは期待しないでおこう。
できればこの構図で103系をカメラに収めておきたかったのだが、いつ来るかもわからぬ状態でいつまでも待っているわけにもいかない。ひとしきり撮影を終えた後、次の目的地である隣駅黄檗に向かうため、宇治駅へと向かう。
宇治駅に到着して目に入ったのは、快速の退避をするため停まっていたウグイス色の鋼鉄の車体。階段を登り、足早に改札してホームに向かう。そうすると耳慣れたブロア音が響いてくる。この重々しい、そして懐かしい音を僕は覚えている。まさにそれは紛れもなく103系である。撮影だけではなく、乗り納めの機会にも恵まれるとは!僕は自分の幸運に感謝する。
「京都」の白抜きの方向幕。このような幕回し式の方向幕もいずれはなくなる運命にあるのだろう。
宇治から黄檗までのわずか1駅。僕にとっては十分なお別れ、そして乗り納めの時間だった。しかし僕にはまだチャンスがあった。この編成は京都行で、おそらく京都から折り返し運転で奈良方面に向かうはずだ。それに合わせて黄檗駅に戻れば、再び103系の姿を見ることができるだろう。それこそが僕と奈良線103系との別れになる。
黄檗駅を出発した奈良線103系。この編成の京都からの折返しを狙う。
黄檗宗大本山である萬福寺の観光を終えたあと、再び黄檗駅で103系の到着を待つ。しかしダイヤの乱れがあったことから上り列車と完全に被ってしまい、黄檗駅入線時の撮影に失敗する。
上り列車の発車後に無理やり追い撮りしたため、おそらく103系の最後の写真になるにも関わらず、望遠の乏しいコンデジの限界を感じる一葉となってしまった。
上記の103系の後続の205系奈良行の普通列車。本当はこんな感じで正面アングルで103系を撮影したかった。
翌日、山科に向かうため湖西線に乗車した僕は、大きくカーブを描いて京都駅に到着しようとする103系とすれ違うことになった。あぁ、おそらくこれが、奈良線103系の見納めになってしまうのだろう。
大阪環状線、阪和線、そして奈良線。僕はこれらの103系に会うために、5回以上は関西方面を訪れている。それだけ僕はこの車両に思い入れがあったのだ。
大阪方面を走る関西本線のJR難波~王寺駅間では、引き続き6連普通列車の103系が見られるが、こちらも元大阪環状線の201系が転属してきたことにより、数を減らしている。
僕はこれから新幹線に乗り帰京する。次に来るときには、おそらく103系の勇姿はそこにはもうないのだろう。さよなら運転だの何だのと騒がれる前に、僕は心の中で103系に別れを告げた。ありがとう、そしてさようなら、奈良線103系。
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