非モテ弱者男性のブログ

旧「非モテ系のままで生きていくブログ」から、弱者男性ブログに進化しました。レベル36の限界中年/異常独身/非モテのブログ。もう人生折り返しました。残りの人生を頑張らないで生きていこうと思います。なおこのブログには、モテる方法は1つも書いていません。

☆スポンサードリンク☆

【中国禅宗】黄檗宗大本山の萬福寺にお参りしようぜ

例えば天台宗の総本山が比叡山延暦寺であることや、真言宗のそれが高野山であること、浄土宗は知恩院、少し知識がある人なら、有名な寺院とその仏教宗派の組み合わせをすぐ思い出すことができるだろう。

僕が「黄檗宗おうばくしゅう」の名を知ったのは、「日本の仏教の宗派って何があるんだっけ?」という軽い疑問をもって調べたからである。最初は読み方すら分からなかった。まず「檗」が読めない。僕は漢字を知らない方ではないと思っていたが、この漢字にはどうにも馴染みがなかった。Wikipedia先生は大変偉大で、その読みを「ばく」ということ、植物においてキハダをあらわすということも教えてくれた。

仏教における黄檗宗は一定の勢力を持ち、明治政府が定めた13の仏教宗派の1つにし数えられ、また臨済宗曹洞宗と並んで禅宗の1つでもある。今回京都の古刹を巡るにあたり、宇治を訪れる予定のあった僕は、近隣に位置していた黄檗宗大本山である萬福寺まんぷくを訪問することにした。

京都から奈良線で奈良方面に向かい、平等院鳳凰堂で有名な宇治駅の1つ手前が黄檗駅である。萬福寺は、黄檗駅から歩いて5分ほどのところにある。

f:id:junny-policies:20191007223902j:plain

萬福寺の総門。退色しているが、門は鮮やかな赤で塗られていたように見える。屋根が上下に別れ、上の段が小さく下の段が広い構造(牌楼ばいろう)や、屋根の鯱のような装飾が確認できる。これらは日本の寺では見られないが、道教寺院などの中国様式の寺院でよく見られる様式である。

f:id:junny-policies:20191007224152j:plain

「山門を 出れば日本で 茶摘うた」は、尼僧の菊舍が詠んだもので、山門の前に石碑が建てられている。黄檗宗の中国的な雰囲気から、まるで中国にいる気分になっていたが、日本の茶摘み歌が聞こえてきて我に返った、という内容である。

時代が下った僕たちにとっては、金閣寺知恩院などと同じように、この萬福寺は京都に多くある高い格を誇る寺院の1つに過ぎないかもしれない。しかし300年前の尼僧にとっては、この萬福寺は、見慣れていた日本の仏教寺院と比較して明らかに異質な空間だったのだろう。

f:id:junny-policies:20191007224428j:plain

こちらは台湾・台北孔子廟。中国様式の建築の代表的なものである。僕たちがこのような中国の孔子廟道教寺院で過ごしたときの、まるで違う世界にいるような不思議な感覚に似たものが、この300年前の尼僧にもあったのかもしれない。

f:id:junny-policies:20191007224043j:plain

風格のある三門。「酒を飲んでの入門は禁止」という石碑も立っている。

f:id:junny-policies:20191007225012j:plain

山門前の池には蓮の花の群生が見られる。時期が合えば美しい花も見られただろう。

さて、三門をくぐり、拝観料500円を支払い境内に入る。

f:id:junny-policies:20191007225134j:plain

三門を境内側から見る。松の木が多く植えられているが、どれもきちんと手入れされている様子である。京都市内からは少々離れているためか、萬福寺を訪れる人の数はまばらで、明らかにマイナー感はあるも、しかし荒廃している様子はまったくないのは、これが篤い信仰に支えられているということだ。宗教の姿としては理想的である。

さて、黄檗宗は中国の僧である隠元隆琦(眞空大師)の創始で、臨済宗の流れをくみ、中国禅宗の教義も取り込んでいる。また萬福寺の特徴として、伽藍配置が全体的に左右対称になっているのは、隠元隆琦の故郷中国の仏教様式を取り入れたからである。

山門をくぐり、最初に見えてくる巨大な堂は、萬福寺の玄関にあたる天王殿である。内部には天部の護法善神にして四天王である広目天、奥に多聞天、右手前に増長天、右奥に持国天を配置する。

f:id:junny-policies:20191007225352j:plain

広目天像。堂左手前側に位置する。

f:id:junny-policies:20191007225403j:plain

多聞天像。堂左奥に位置する。

f:id:junny-policies:20191007225415j:plain

持国天像。同右側奥に位置する。

f:id:junny-policies:20191007225430j:plain

増長天像。同右手前側に位置する。これらの四天王は、どれも大変立派な像容を誇る。

f:id:junny-policies:20191007224058j:plain

本尊は七福神の1柱である布袋様であるが、大変邪悪な柔和な笑みをたたえている。でもどう見ても目が笑っていない。

布袋様は弥勒菩薩の化身であるとされているため、事実上の本尊は弥勒菩薩であると考えていいのだろう。その背面にはやはり護法善神の1つである韋駄天が配されている。

f:id:junny-policies:20191007224107j:plain

このように布袋、韋駄天、四天王を玄関口となる前堂に安置するのは、中国の禅寺様式の特徴の1つである。

f:id:junny-policies:20191007224020j:plain

天王殿の奥には、萬福寺の本堂にあたる大雄寶殿がある。

f:id:junny-policies:20191007224023j:plain

内部は中尊に釈迦牟尼仏(釈迦如来)があり、2人の尊者摩訶迦葉まかかしょう阿難陀あなんだを従える。

f:id:junny-policies:20191007224027j:plain

その他にも左右9対にあわせて18人の尊者(十八羅漢)の像が配されている。このような像容配置は、やはり中国や台湾の仏教寺院では一般的らしい。

f:id:junny-policies:20191007224034j:plain

雲板という青銅製の板が吊り下げられているが、これは修行や食事の時間などを知らせるための鐘として使われている。

ところで、「ポクポク」という擬音語で、僕たちが想像するのは木魚である。知られている通り、僧侶が読経のリズムに合わせて叩くのだが、それの原型となったのがこちらの木魚(開梆かいばん)である。

f:id:junny-policies:20191007224037j:plain

文字通り木製で魚を象った象形だが、腹に当たる部分から内部がくり抜かれており空洞になっている。胴体中程には打たれた跡が残っている。

この開梆と雲板があるのが「斎堂」と呼ばれる建物であるが、この建物の前には生飯台という小さなテーブルのようなものがある。これは餓鬼道に落ちて上に苦しむ人々や、それらを導く鬼子母神に祈りを捧げるためのもので、修行僧はここに食事を供えてから、自らの食事にありつくという。

f:id:junny-policies:20191007224040j:plain

宗派の名にちなんで、境内には黄檗の木が植えられている。

f:id:junny-policies:20191007224051j:plain

渡り廊下のようなもの。

f:id:junny-policies:20191007230328j:plain

境内から少し外れたところに、黄檗宗の開祖隠元隆琦を祀る開山堂がある。

f:id:junny-policies:20191007230332j:plain

内部には桃が描かれた幕が下り奥が見えないが、おそらく隠元隆琦像が祀られているのだろう。

f:id:junny-policies:20191007230337j:plain

隠元隆琦へのおくりなとして「眞空大師」、さらに加えて「華光大師」を与えられたことを示す額。開山堂の天井部に飾られている。額によると、眞空大師は大正6年、華光大師は昭和47年に天皇御璽ぎょじをもって贈られたようだ。

f:id:junny-policies:20191007230913j:plain

開山堂の裏手にある謎の墓石。何か文字が刻まれていたが読み取ることはできなかった。

f:id:junny-policies:20191007230915j:plain

小庭園の中に安置されている球状の石。よくも転がり落ちずにいるものだ。どこか前衛芸術的な雰囲気を感じる。

f:id:junny-policies:20191007230909j:plain

建物内は立入禁止となっている舎利殿。釈迦の遺骨である仏舎利を納める堂である。

f:id:junny-policies:20191007230906j:plain

壽堂という謎の小堂。手入れはされているが人の気配はない。

古都京都には古刹名刹が立ち並ぶが、その中で近代日本における中国様式の仏教を今に伝えるのは、僕が知る限りここ萬福寺だけである。伽藍建築も大変立派で見応えがあるし、配置される仏像も見事なものだ。しかも観光客はそれほど多くないため、のんびり過ごせる素晴らしい場所でもある。

黄檗宗萬福寺。有名どころの寺院はだいたい行き尽くした人や、むしろ有名どころではない寺院に興味があるような若干中二病が入った方にオススメである。

☆スポンサードリンク☆