まだまだ現役!国鉄113系・115系電車を見られる場所まとめ
国鉄の近郊型車両のベストセラーである113系と115系は、既に首都圏では全域で引退済みとなっており、残存する115系は新潟管内と、第三セクター路線のしなの鉄道、JR西日本の湖西線、山陽本線の一部に集中している。
僕はこの近郊型電車のクロスシートが好きだった。特急でもないのに窓から景色が見やすいなんて、なんて素晴らしいのだろうと思っていた。後継となる211系やE231系のロングシートは、僕にとって大変味気ないものだった。
僕が大学受験の時、あまりにも精神的に追い込まれて、北へ北へと電車で向かったことがある。その時乗ったのは、当時宇都宮線で運用されていた115系だった。まだ荷物室の取り扱いがあったことを覚えている。
115系に限らないのだが、103系や185系など、僕はこの年代の走行音がたまらなく好きなのだ。重々しいMT54電動機の咆哮は、かつてどこでも聞けたものであり、それは同時に騒音でもあった。今でもその音を聞くと、懐かしい思いがこみ上げてくる。それがあまりにも懐かしくて、わざわざ高崎駅から上越線に乗って水上駅まで乗り鉄したこともあったくらいだ。
国鉄新潟の名残
国鉄新潟の名前は過去のものだ。新潟周辺の各路線には、寒冷地仕様の新型車両であるE129系が投入されており、ほぼ全ての普通電車の運用は置き換えられている。しかし115系は完全に姿を消したわけではなく、運用の2割ほどは引き続き115系が充当されているようだ。
しなの鉄道の115系
しなの鉄道では、赤とグレーのおしゃれな塗装の115系が運用されている。
中には横須賀色や湘南色にリバイバル塗装された編成も存在する。鉄道ファンへのサービスとしては大変ありがたい。
しかしそんなしなの鉄道も、やはり製造から50年経過するような車両をいつまでも使用しているわけにはいかない。寒冷地の厳しい環境に耐えられず、老朽化により115系の故障も多くなっているため、しなの鉄道は新たに、新潟地区と同じくE129系の導入をすすめていくという。
湖西線の115系
京都発着の湖西線と、岡山発着の山陽本線、そして岩国以西の山陽本線で引き続き運用されている。
湖西線では、ピーマンのような色をした115系が運用されている。しかしこちらは、転換クロスシートなどの内装が充実している221系と、新鋭の近郊型列車である225系の投入により、その数を減らしつつあるようだ。
山陽本線の115系
岡山は、國鐵岡山と揶揄評価されているほど国鉄型列車が大量に運用されている。これらを227系で置き換えるのは相当大変であるから、しばらく国鉄岡山は続くだろう。僕はまた鉄分補給のために岡山へ赴くことになるだろう。
末期色真っ黄色の山陽本線115系。115系の運用は、岡山周辺と、広島の岩国駅以西に集中している。
一部の編成は湘南色のまま運用されている。かつては広島も「國鐵廣島」と呼ばれるくらい115系などが運用されていたが、新鋭車両である227系の一斉投入により、広島駅周辺で国鉄型車両の姿を見ることはなくなった。
今後115系は、新潟周辺としなの鉄道ではE129系の投入状況次第、湖西線では225系の、岡山などでは227系の投入状況次第となるだろう。いずれも後継車両が確定しており、あとはその製造を待つばかりだ。コロナ禍で各社がどれだけ車両更新に投資するかは不透明だが、経年を考慮するとおそらく今後2~3年のうちに置き換えが進むことになるだろう。