JR西日本岡山支社の管区は、おそらく最後の国鉄型車両の楽園である。
他の地域を見てみると、JR東日本新潟支社はかつて115系と485系を多数運用し「国鉄新潟」と揶揄されたが、新鋭車両のE129系の投入によってそのイメージは払拭されつつある。また「國鐵廣島」ことJR西日本広島支社も同じく103系や113系を多数運用することで鉄道ファンの間では有名であったが、やはりこちらも新鋭車両の227系の投入によって、多くの国鉄型車両を置換えている。
これらの支社管内では、このように国鉄型車両の置き換えが進みつつあるが、一方でJR西日本岡山支社内においては、その国鉄型車両の置き換えがほとんど進んでいない。全国的に国鉄型車両が引退・運用終了となっている今、ここ岡山はまさに「国鉄岡山」の名にふさわしい、国鉄型車両の楽園である。
真っ黄色の115系
東京から高速バスで9時間。早朝の倉敷駅には、朝日を浴びながら多くの115系が発着する。
115系はそのほぼ全てが末期色真っ黄色に塗装しなおされたが、この115系0番台の1編成のみ、かつての湘南色の塗装のまま運用されている。体質改善工事がされており、ドア窓枠が小さくなっている部分がある。
糸崎行の115系。
「吉備の国くまなく旅し隊」のラッピングが施された115系。
「食パン」の愛称をもつ2両編成の115系1000番台(G03編成)。運用は伯備線で備中高梁行。
115系の体質改善車で、窓枠が黒いものに変更されている。
相生行の3両編成の115系。
糸崎行の3両編成の115系。
抵抗制御車大好き鉄の僕はこれだけでテンション上がる。VVVF制御車なんてどうも味気ない気がする。
合間に、65分遅れで到着した寝台特急「サンライズ出雲」の285系を撮影。高松方面へ向かう「サンライズ瀬戸」は、岡山駅で切り離されている。
381系特急やくも
倉敷駅は、出雲方面へ向かう特急「やくも」が岡山駅を出発してから最初に停車する駅である。山間部のカーブを高速で走行できる、画期的な設計の振り子式制御車両であったが、その分乗り物酔いしやすいと評判である。同じ車両が紀勢本線の特急「くろしお」で使われていたが既に引退しているため、現在381系が運用されているのはここ岡山~出雲区間だけである。
終点岡山駅に入線する381系。
岡山駅の留置線からホームに入線する381系
朱色1号のキハ47系、キハ40系
かつての八高線のように、非電化区間においては、この朱色1号に塗装された気動車がそこらじゅうを走っていた。
岡山地区では津山線に使用されるキハ40系。
その他にも桃太郎線(吉備線)のような非電化路線に投入される。
キハ47系はキハ40系と非常によく似ているが、ドアの枚数が異なる。キハ47系は2枚ドア、キハ40系は1枚ドアである。
多客時には4連で運行する。
全面引退間近の117系
和歌山線や紀勢本線からの117系の置換え、引退が発表されており、こちらも全面引退が迫っている。岡山地区の117系は、岡山~福山間を結ぶ快速列車「サンライナー」として、午後~夜の時間帯にかけて運行されている。
僕はフリーパスを持っていたので、福山~岡山間の往復乗車を試みた。写真は福山駅に到着した117系。
ライトアップされた福山城。この写真だけ撮ってそのまま岡山へ帰った。
新し目の国鉄型車両213系
213系は(115系などと比べて)新しい国鉄型車両で、211系によく似た外観と、2ドアであることと、短編成運用が可能であることが特徴である。
多客時間帯は4両編成となる。こちらは備中高梁行。
国鉄岡山はいつまで続くか
JR西日本の新車投入計画次第であるところだが、2019年くらいにかけて紀勢本線に227系を、また阪和線などに225系を投入していくという情報がある。となると、車両メーカーが製造するのにも時間がかかるだろうから、それらが一段落してから岡山地区全体に新車投入の波が押し寄せるという流れになるだろう。具体的には、2020年以降急速に国鉄型車両を入れ替えていくことになるのではないかと推測する。
おそらく形式は227系になるのだろう。
これだけ多くの国鉄型車両が残存している管区はおそらく岡山だけである。そうはいってもそれが続くこともない。国鉄型車両ファンは、早めに岡山を訪れて、その勇姿をカメラに収めていくべきだろう。