さようなら、かぼちゃ列車。高崎地区の115系が引退
E231系の投入により、東海道線、高崎線、宇都宮線の各線から引退した115系。かつてJR東日本の高崎地区は、そんな115系の楽園のようだった。3両または4両編成と短編成化された115系が、かつての力強い走りを見せつつも、のんびりと余生を過ごしていたのだった。
高崎地区の主力は、かつては107系と115系であった。しかし、これらの車両の老朽化により、急速に211系への置き換えが進んでいる。
そしてとうとう2018年3月17日、ダイヤ改正により運用が終了、115系は引退することになった。
新たに主力となる211系。こちらもE233系の投入によって東海道線、高崎線、宇都宮線から移動してきた車両系列である。
宇都宮駅に入線する211系。115系と異なりほぼ全ての編成がロングシートしか持たないため、観光客にとっては車窓の景色が見づらく不評とか。ちなみに211系の0番台と1000番台はセミクロスシート(115系と同じ)となっているが、これらの編成は長野方面で利用されている。
115系の活躍範囲は広く、信越本線(高崎~横川駅)、両毛線(高崎~小山駅)、上越線(高崎~水上駅)のそれぞれの路線で主力として活躍してきた。
懐古趣味の僕は、115系に乗るのが好きだった。どこかへ旅をしている感が好きだった。扉を自分で開けるというのも非日常感があってよかった。
車窓から赤城山を見る。
水上へ遊びに行く時、僕はいつも、新幹線の上毛高原駅を使うのではなく、あえて115系に乗っていくことを選んだ。沿線に見える赤城山、榛名山、そして秀麗な谷川岳が徐々に迫ってくるのを、セミクロスシートの進行方向側に向かって座って眺めるのが好きだった。
車窓から榛名山を見る。
車窓から谷川岳を見る。
生産されてから約50年もの間走り続けてきた115系。新潟支社の115系も、また中央本線の115系も既に引退し、残る115系の運用範囲は、岡山地区と湖西線など、本当にごく一部となった。
昭和の雰囲気をまとう115系の姿が見られるのもあとわずかか。