セクハラ問題がだいぶ世間的に認知されてきたおかげで、セクハラとコミュニケーションの区別がついていなかったゴミカスクソ野郎どもが駆逐される傾向にあるのは、大変素晴らしいことである。
そうは言っても、女どもと何かしらの形で関わっている限り、ある日突然、何らかのコミュニケーションがセクハラ扱いとなり、社会的な制裁を受けるリスクは潜在的に存在する。
女どもの中には、気分によって男を痴漢扱いしたりセクハラ扱いしたりする性質をもつものがある。ただでさえ女どもから悪い印象をもたれやすい僕たちモテない男(=喪男)は、このような取扱いがされ社会的な不利益を被ることを回避する必要がある。それは、僕たちが善良なる社会構成員の一員であり続けるための心構えみたいなものだ。
例えば僕たちは痴漢冤罪防止のために、満員電車の中で苦痛を感じながらも両手を上げた状態にしておくわけだが、職場におけるコミュニケーションにおいても同様の対策を講じる必要がある。
「ハラスメントを未然に防止する会」こと「ハラミ会」というのは、1つのソリューションになるだろう。最初から「あなたが女性ならば、必要最低限の付き合いしかするつもりはない」という意思を宣言してしまうのである。事務的な会話と、業務上必要と思われるコミュニケーションしか許容しないというのだ。
それは下の漫画に表れている。
僕たち喪男が注目するべきはその次のセリフ「女性が何で傷つくのかわからない」である。助詞「で」の用法は難しいが、「何で」は理由を問うているのではなく、原因を問うている。文脈上、僕はこのように解釈する。
僕たち喪男の何気ない発言や態度が、女どもの生理的嫌悪を生起させ、その制裁としてセクハラ扱いを受ける可能性がある。
そのきっかけは僕たちからは想定し得ないため、「女性が何で傷つくのかわからない」し、結果として僕たちには何がセクハラにあたるかわからないのである。僕たちからしたら、地雷原を裸足で歩くようなものだ。
これはエクスキューズとしては十分に有効だと思われるし、女どもの意向をくんで男たちがそれを解決するのに協力していると見ることもできる。僕たちは僕たちで、女どもと一定の距離を保てるため、リスクの低減につながるというわけだ。
また、「うっかりセクハラする自分に嫌気がさした」と言っている男性も描かれているが、これは普段自制していても飲みの席になると積極的にセクハラ発言をしてしまうということではなく、セクハラの意図のなかった何気ない会話が実はセクハラに該当したという苦い経験があって、それを二度と繰り返すまいという決意と読み取れる。僕たちは僕たちの不用意によって女性を傷つけたくないのだ。
これが男女間の分断になるとか、ひいては少子化の拡大に繋がるとか、単純に職場のコミュニケーションに支障をきたす恐れがあるという批判意見もあるだろう。僕たちはこの意見には耳を傾けてはならない。女どもが髪型を変えようがおしゃれなスーツを着てきたりすれば、僕たち喪男とて気づかないということもない。しかしそれはなかったことになる。それが似合っていて褒めたくなっても、一切口にしてはならない。ましてやデートや飲みに誘うなど禁忌中の禁忌である。
実のところ、少子化の拡大なども批判には当たらない。少子化は僕たち一人ひとりの心がけで解決する問題ではなく、かつ政治や経済的な問題なので、そもそも次元が違う。よって考慮するに一切値しない。
セクハラ防止のために必要最小限にコミュニケーションに制限したことで業務に支障をきたすような職場など、存在してはならない。職場は業務遂行のための場でしかない。
セクハラ防止の手段として、コミュニケーションを制限する
ところで、とりわけ女どもは、僕たち喪男からの必要以上の(特に男女関係の意味合いを持つ)コミュニケーションを拒絶してきたはずである。
いい年した喪男たるものは自分の身の程を知っているから、目の前の女に対して男女関係の発展の可能性など毛ほども期待していないし、そのコミュニケーションにおいてそういった意図もない。しかしそれをコミットするものは何もないのが実情であった。
僕たちはその意図をくむための解決策を模索する必要があった。実は女どもと僕たちとの利害は、そういった意味で一致していた。
これらの事情の解決策として「ハラミ会」は存在するのだ。そうだ、分断を要求したのは他でもない女どもであり、僕たち喪男はその意向を受け入れたに過ぎない。僕たちは自分たちのリスクが低減できるなら良しとする。その分断を受け入れることによって、僕たちハラミ会は、脱セクハラの推進に協力しようというのである。こうしたもてない男どもの殊勝な心がけは、評価に値するだろう。
ハラミ会の推進はセクハラを撲滅する
そうだ、僕たち喪男は脱セクハラを、ハラミ会の推進をもって協力しよう。僕たちは必要以上に女どもに近づかないことを高らかに宣言しよう。
だから女どもも、(これまで通りに)必要以上に寄ってこないでもらいたい。そして女どもにおいては、嫌悪や不快を意図的に僕たちに与えることのないように努力せよ。僕たちも嫌悪や不快を意図的に与えないように最大限配慮し、相互不可侵の無関心協定を締結するようにしようじゃないか。
ところで、モテたい男(=鯛男)どもにとっては朗報である。男女関係的なコミュニケーションを追放した以上、一定数の男どもが恋愛市場から離脱するのだ。
恋愛対象とされない僕たちは最初からいないようなものだけれど。
鯛男諸君は、好きなだけ女どもを漁るがいい。それに懲りて、少しでもセクハラ扱いされることを回避したいのなら、僕たちは常に君たちを歓迎する。ともにハラミ会を推進しようじゃないか。