とある底辺喪男の社会評論

現代社会の様々な問題点や、政治、経済、金融、教育のあらゆる社会的分野について、好き勝手に評論する若干意識高めのブログです。ただし、論者は底辺喪男です。

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MRJ終了?中国のARJが米国耐空証明を取得できるかもしれない

三菱重工業は、自社で開発しているリージョナルジェットMRJの記念館をオープンするなど、なかなかノリにノッている。今のところ米国耐空証明(FAA)の取得までは至っていないが、試験を重ねているということで、2020年夏頃という全日本空輸ANA)への納入もメドが立ったから、ということだろう。

www.aichi-now.jp

今のところ、しれっと流されている感がハンパないのだが、中国とアメリカが、航空機の耐空証明について相互承認するというニュースが入ってきた。

thepage.jp

おそらく先日のトランプ大統領の中国訪問時にもコミュニケーションがあったようだ。

これは大変重大なニュースであり、MRJにとっては死刑宣告ものである。

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中国の航空機が世界中で飛び回る

何が問題かというと、第一に、相互承認ということは、中国の耐空証明がアメリカの耐空証明と同一水準であることを公認することを意味し、現在中国が開発中のARJが事実上アメリカ耐空証明と同等の証明を得られる可能性があるということ。第二に、それによりMRJが世界展開において大きく遅れを取ることが確実であること。第三に、ARJ自体のカタログ価格がMRJと比較して相対的に安く、マーケット拡大が見込めるアフリカ諸国などの発展途上国で導入するエクスキューズがあること。

これまでのARJの評価は次のとおりだった。すなわち、中国はドメスティックマーケットでのみARJを運用する想定なので、中国の耐空証明を取れればよく、アメリカの耐空証明を必要としなかった。ところが商才豊かな中国が、自国のマーケットのみで満足するはずもなく、それらを世界中で売るために手を売った。アメリカとはずっと交渉を重ねていたのだろう。

中国に敗北した日本

アメリカの耐空証明は世界基準であり、世界最高水準であるから、それを取得するのは大変に困難なことである。そういうものだと高をくくり、ARJのことを意識すらしていなかった僕たちのような凡才は全力で反省するべきであろう。耐空証明を取得する戦いがそこにあるとしたら、その戦いに真っ向から挑むのではなく、その戦いを仕切る側に回ってしまう。 なんという発想力、そしてそれを実現させてしまう行動力、政治力、調整力か。中国という国は本当に恐るべき国家だ。一方で我らがMRJ開発陣は、日本政府が後押し根回しするなどとは発想すらせず、必死にアメリカの耐空証明を取得しようと日々格闘していたのだ。他人事ながら虚しさすら感じてしまうほどだ。同盟国だからということで、日本の耐空証明とアメリカの耐空証明との共通化みたいなものに取り組んでも良かったのではないかと今更ながら思うが、それをしなかった点というのは、おそらく僕たちの発想の限界ということで説明がついてしまうのだろう。

MRJへの死刑宣告に等しい

さて、すでに新規受注もままならず、会計上の負債は(開発費を売上で回収できていないため)増える一方で、まさに死に体のMRJだが、おそらく今回の動向によって、いよいよ進退窮まったと思われる。既にプラット・アンド・ホイットニー製の省燃費エンジンによる差別化は意味をなさなくなっているし、1機でも多く受注しなければならない状況の中の生産体制は月間1機程度という状況だ。一体何をどのようにして商業的な成功がありうるのだろうか。

三菱重工業の偉い人たちは、どのようなメッセージを出すだろうか。このまま都合の悪いことを見ずに済めば、それはとても素晴らしいが、果たして?

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