恋愛弱者男性が婚活に費やした費用を公開します
2023年から2024年にかけて、僕は婚活というものに取り組んだ。その取り組みに成果が出なかったことは過去のエントリにも記録したが、その時に僕がかけたコストがどれほどかを語ることは、同じく恋愛弱者として苦しみながらも婚活に希望を見出す同志の参考になるはずだ。あるいは、これから婚活に取り組もうとする諸君に、その出費の覚悟を問う1つの材料になるはずだ。
おおよそ50万円。これが僕が婚活に費やした費用である
内訳を見ていこう。
2023年9月ごろ、僕は会社の同僚の勧めで「婚活に相応しい服」を買いに行くことになった。新宿伊勢丹メンズ館で買ったマッキントッシュのジャケットとBOSSのボタンシャツ合わせて6万円が、僕の最初の婚活費用になった。これらはその後数回街コンに参加した際に着用したほか、プライベートでも何度か着用する機会があったので、まるで元が取れないと言うことでもなかった。
さて、何度か街コンに参加してみたものの、女性側の本気度に疑問を抱えた僕は、いよいよ結婚相談所のお世話になることを本格的に考え始めた。結婚相談所に支払った金は、ざっくり以下の通りである。
- 入会金15万円(キャンペーンで少し安くなっていた)
- 写真代2万円
- 活動オプション費用3万円
- 月会費1.8万円×8ヶ月分=14.4万円
また婚活における交際費用については以下のとおりである。
- お見合いのお茶代20人分7万円
- 仮交際7人分のデート代や食事代10万円
- 合計51万円
得たもの 無力感
失ったもの 毎週末の自由時間、自己肯定感、貯蓄の一部
お見合い費用のお茶代は仕方ない。けど・・・
この中には、僕にとって納得のできる支出とそうでない支出があると思われる。例えば実のところ、入会金や写真代は必要経費だとして割り切れたし、ホテルラウンジやおしゃれカフェのお茶代も、落ち着いて話すための場所代だと思っていた。
この中で僕に精神的ダメージを与えた出費は、仮交際のデートや食事代である。仮交際相手の彼女たちは僕の支出を顧みることは一切なかったし、あるいはどこへ行って何をして何を食べたいかなどのアイデア出しに協力するそぶりを見せることはなかった。彼女たちからは好意や興味を持たれることなく、僕ばかり金銭や精神的負担を押し付けられることで、僕が奴隷か何かであるかのようにすら思い始めた。
僕は仮交際において、ある女性には肉バルのディナーで1万円を支払い、別の女性にはイタリアンのディナーで2万円を支払い、それぞれその2日後にお断りを受けた。このことを僕は、一生忘れることはないだろう。
しかし大衆的で1人あたり2千円程度のお店では「本気度が感じられない」「店選びのセンスがない」としてお断りを受けただろうし、そうではなく「将来結婚するかもしれない人と一緒に素敵な時間を過ごしたい」と考えて↑のようなお店を選んでも、結局2日後に断られてしまうのなら、いったいこの支出は何だったのだろう?
名前しか知らないような「ほぼ赤の他人」に、僕は汗水垂らしてストレスを貯めながら獲得した金銭を投入したというのか。いや、それ以前にも僕は、そもそもどのお店を候補として挙げるか、勤務先や家から行き帰りやすい立地や、お相手の婚活女性の好みなどを総合し、口コミや写真をチェックして雰囲気が問題なさそうか検討した。それらに費やした時間も考慮すると、僕は膨大なリソースを「ほぼ赤の他人」に

※写真と本文に関係はありません
そして婚活女性からは、形式上のお礼は述べられることはあっても、「嬉しい」「楽しい」などの感情表現や笑顔などの愛嬌を受け取ることはなかった。そもそも今回のデートを成立させるために、僕が日時を調整し、僕がお相手の好みを確認し、僕がお店の候補を探し、僕が予約している。それらの僕の行動に対しての労いの言葉すらなかったのだ。
婚活女性のデートの寄与度はまるで0である。僕が婚活女性から受け取ったものは何もない。僕に対してはいったいなぜここまで心を砕いているのだろうか。これが繰り返されたので、その次からは安いランチ(と言っても1人2千円以上)に切り替えたが、結果は同じだった。
僕はご馳走しなければ当然ダメだったが、ご馳走してもダメだったし、金額が高くても安くてもダメだったのだ。僕の心は折れた。
「ハズレ」のカウンセラーは変更するべきだった
そしてもう1つ、月会費8ヶ月分はあまりに余計だった。自分が婚活市場に向いていないことは、ある程度活動をしてみた上で分かっていたはずだった。その見極めは4ヶ月程度で十分だったはずだが、「もう少し頑張ってみなければ」と撤退する判断をしなかった。別エントリにも書いたが、カウンセラーの働きっぷりはまるで期待はずれで、お見合いの日程調整だけのために毎月1.8万円も支払っていたのは大変にアホらしい。
きちんと成婚を目指すのであれば、容赦なくカウンセラーを変えるか、別の相談所に移籍してもよかったのだ。そのあたりまで戦略の幅を広げなかったこと自体、僕の婚活に対しての思い入れの程度が知れるというものである。
このエントリの結びに、婚活において費用面の不安を感じている諸君に少しだけ問いかけよう。諸君は僕が約半年間で支出したこの50万円超を、安いと思っただろうか?諸君が30代半ば以上とかで社会人を10年もやっているのであれば、この金額は十分に出せるものであろう。
婚活費用は「安い」のか?
しかしもし諸君に性的魅力がなかったり、相手に恵まれもしなければ、仮交際のデート費用は完全に無駄金になる。あるいはそれはリターンのない投資であり、別の言い方をすれば成婚をちらつかせた搾取でもある。諸君はそれを許容できるのか?
諸君が汗水垂らし、嫌な顧客や口うるさい上司に頭を下げて残業してまで得た金を、ある日突然出会った「(限りなく可能性の薄い)結婚相手候補」に対して注ぎこむことができるのか?しかも7割くらいの確率で「次がない」相手に対して?そう自問したとき、僕は虚無感しか覚えなかった。
なら僕は、今回こうして婚活に支出したことを後悔してるのか?実はそうではない。撤退時期が少し遅れたとはいえ、僕は少なくとも自分ができることをやり、支出するべきを支出した。成婚という結果が出なかったことは、本当の意味で結果論に過ぎないのであり、僕自身が結婚相手としての魅力や資質に欠けることが現実的に突きつけられただけでもある。

※写真と本文に関係はありません
今僕はとてもスッキリしている。僕はもう婚活することはないだろう。結婚して異性のパートナーと慎ましやかな幸せを噛み締めながら人生を歩むことに、諦めがついているように思えている。
このまま交際が進んで万一成婚でもしようものなら、婚約指輪や結婚指輪に100万円を支出し、結婚式に300万円を支出し、新婚旅行に100万円を支出する可能性すらあったのだ。このあたりの金を心の底から提供したいと思わない女性と成婚するくらいなら、引き続き独身を維持するのが最適解ですらある。
婚活の活動費用は、そのための「踏ん切りをつける」ための必要な出費であったと、今の僕は解釈している。しかしそれは少々僕にとっては高額だった。この50万円があれば、1人で海外旅行に行ってもまだお釣りが来たと思うと、少々やりきれないものがある。
貯蓄のやり直しだ。僕の金は僕だけのために、または僕のことにきちんと向き合うか、僕に何かしらの価値を提供してくれる他人に使うべきだ。婚活女性のような受け身で何も返してこない存在に投入する金を、あいにく僕は持ち合わせていない。