小田急、新型車両の5000形を2019年度に投入。引退する車両型式は?
小田急電鉄は、新型の通勤車両5000形を投入すると発表した。
5000形といえば、僕が思い出すのは初代5000系だ。アイボリー基調にインペリアルブルーと呼ばれる鮮やかな青い帯を巻く小田急カラーで、鋼製の車両だった。この初代5000形、登場時は抵抗制御方式・ひし形パンタグラフだったが、体質改善工事によってVVVFインバータ制御に改造されたものもあった。しかし老朽化によって2012年に引退した。
今回の2代目5000形は、前回の新型車両4000形以来12年ぶりの新車となる。日本経済新聞の記事によると、2018年3月に複々線化工事が一段落したことから、今後は快適性や利便性を高める設備投資を図るとのことである。
置き換え・引退車両が発生する?
新5000形は1編成10両で、合わせて6編成60両が投入される。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44280190W9A420C1XQH000/
写真を見てみる。東京メトロ東西線05系のようなカラーリングだ。デザイン性に優れた感じはあまりせず、保守的な感じがする。あと側面方向幕がない。
前面の貫通扉が設けられていないことから、千代田線直通車両としての設計はされていないだろうことが推測される。よってこの形式は千代田線直通車両ではない。
ならば、新5000形は同じく千代田線直通車両ではない8000形を置き換えると推察されるだろうか。
和泉多摩川駅付近の急行線を走る8000形。
8000形は、導入当初は界磁チョッパ制御だった。その後VVVFインバータ制御に改造され、方向幕がフルカラーになるなど、年数が経っている割には古さを感じさせない。しかし登場から既に30年以上が経過しており、それを考慮すると置き換えの時期ではある。
8000形は6両固定編成と4両固定編成のそれぞれがあり、それを組み合わせて10両編成をなし、合わせて160両が在籍している。つまり、新5000形が8000形を置き換えたとしても、すべての8000形が廃車に追い込まれることはないだろう。それに相模大野以南の、輸送力が多く必要とされず、混雑時閑散時それぞれの柔軟な両数編成を考慮しなければいけない区間において、4両編成や6両編成が基本でそのあたりの融通の効く8000形をわざわざ置き換えるだろうか。新5000形は10両固定編成だから、そういった柔軟な運用はできない。
一方で小田急は、各駅停車の10両化をすすめている。そこで考えるのは、8両固定編成をもつ2000形や3000形が、実は置き換え対象なのではないかということだ。
8両編成の2000形電車
8両編成の3000形電車。置き換えるには新しすぎるだろうか。
4両編成や6両編成ならば相模大野以南の区間や多摩線などで活躍できるかもしれないが、8両編成というのはそうした低密度路線(というほど低密度ではないが)で運用するには輸送力過多だし、都心部区間で運用するには輸送力が不足する。まさに帯に短したすきに長しの編成となってしまうのだ。
日本経済新聞によると、投入時期は2019年に1編成、2020年に5編成の投入計画がある。すべての8000形や2000形、3000形が置き換えられることはないが、小田急にも車両入替の時期がやってきたのだ。年数の経っている車両を撮り納めておくのに、遅すぎるということはない。