ありがとう、さようなら。中央本線スカ色115系乗り納め乗車記
ことの始まりは、中央本線沿いに住んでいる知り合いからの連絡だった。時は2014年晩秋。中央本線の高尾~松本間で運用されていたスカ色115系が、この冬で一気に更新され、廃車されるというのだった。
もともと近いうちに中央本線の115系の撮影に行こうと思っていた。それでも、いつか行こうと思っていてはなかなか行かないものである。当時既に首都圏近郊では115系の運用が貴重になっており、特に内房線、外房線、横須賀線、総武快速線などで利用されていたスカ色115系は、内房線と外房線に元京浜東北線の209系が投入されたことで、一気に数を減らしていた。おそらくスカ色115系が見納めになるだろう。
乗ろう。そして撮ろう。僕はその週末にきっぷを買い、目的地を信州の名城松本城に定めて、中央本線の乗り鉄を開始した。
立川駅に停車する長野色115系。だがこちらは回送電車なので乗れない。目当てのスカ色115系とは巡り会えず。ひとまず、風情がないと嘆きつつも、通勤型車両のE233系に乗って高尾へ向かう。
高尾駅構内にある天狗の石像。
僕は子供の頃、千葉県館山市にある館山リゾートホテルに遊びに行ったことをよく覚えている。海のそばのきれいなホテルで、食事が美味しかった。そのときに乗ったのがスカ色115系だった。家族全員でそろって座れるセミクロスシートのボックス席は、普通電車なのに特急電車で旅行しているような気分になれたものだ。
ようやくスカ色の115系に巡り会えたのは、高尾駅だった。ダークブラウンの床はそのままだったが、モケットは更新してあるようで座り心地もいい。あぁ、年に一度は必ず聞きたくなってしまう抵抗制御の重たいモーター音がたまらない。これに乗って今度は甲府へ向かう。
甲府駅はJR東海の身延線の終点駅でもある。身延線用の313系も撮影できる。
さて、甲府駅からは、115系の後をついで中央本線の主力車両となる211系に乗る。
甲府駅構内の電留線に回送された211系。この211系はもともと東海道本線や高崎線、宇都宮線で運用されていたものだが、E233系の投入により余剰となった編成である。逆光気味だが頑張って露出を調整した。
終点の小淵沢駅で留置されていた、スカ色115系。結局これが見納めとなってしまった。
小淵沢駅で後続列車を待っていたが、時刻表を調べてみると、松本城の開城時間内に間に合わないことがわかった。本来の趣旨であれば115系(と211系)を乗り継いで鈍行で松本までのんびり行くつもりだったが、間に合わないとなれば話は変わる。次の特急あずさに乗れば、少なくとも30分程度の見学時間は確保できる。
そうして特急あずさとしてやってきたのは、E351系だった。続きは以下のエントリにて。