どうせモテないし寂しいけど一人旅でもしようぜ
一人旅は寂しい
僕はよく一人旅に出かける。行き先は、自分の行きたいと思った場所、そして自分の見たいと思った景色。
寂しくないかと人によく聞かれる。まぁ大きなお世話だ。寂しいに決まっているじゃないか。どんなに自分が感動しても、その感動を伝える人間がその場にいないのだから。おそらくこうした時、その感動は何倍にもなるのだろう。しかし僕はその景色を見て感動したということと、その景色が見られる場所を訪れたということの2つの事実を認知し、それを思い出として持ち帰るくらいしかできない。
けれども僕は一人旅をしなければならない。
旅は道連れというものだが、コミュ力が人並み以下の水準である僕が道連れる人を探してから行くのでは、そうしている間にきっと僕は死んでしまうだろう。そうしたなら、僕は死ぬ前に多少の後悔をするだろう。死ぬ前に行っておけばよかった、と。そんな後悔をしたくないから、僕は一人旅をする。
僕の行きたい場所へ僕と一緒に行っても良いという人が現れるのを待つか。仮にそんな人がいたとして、
南半球の楽園フィジーのビーチ。
ふむ。そういった手間を掛けるくらいなら、さっさと飛行機のチケットを買って現地に飛んでしまったほうが話が早い。僕はその手間を惜しむ程度に面倒くさがりであり、それによって体験するであろう寂しさを許容してしまえるのである。
だから僕は一人旅をする。
けれどやっぱり、一人旅は楽しい
そうして実践した一人旅は、やはり楽しい。不思議なことに、楽しいという感覚と、寂しいという感覚は、同居するものなのである。
一人旅に行きたいという人がいる。心置きなく行ってくればいいと思う。もちろん安全の面もあるから、女性の海外一人旅というのは場所を考慮する必要はあるが。もちろん男性もだけど。このブログの読者の9割以上は男性だし、そのへんの危機管理意識は、僕のブログの読者の年齢層であれば一通り身につけているはずだ。
青森県むつ市にある恐山宇曽利湖。僕が見た景色の中で最も美しかったものの1つ
そして、「でも寂しいじゃないか」と二言目に続く人は、残念ながら一人旅をするには向いていない。「一人旅でも、まあいいか」と心の整理がついてから改めて一人旅をするかどうか考えるがいい。あるいは自分用の飛行機のチケットとホテルだけ予約して、あとは戦々恐々と出発日を待つがいい。とくに海外旅行は冒険(アドベンチャー)だ。空港から目的地のホテルまで、トラブルなく到着するということは、自分が主人公のダンジョンRPGのようなものである。装備品は、パスポートとクレジットカードとホテルバウチャー。あとは空港の入国審査や交通機関で、入国やきっぷの購入というイベントを自分だけでクリアしていく。まさに自分が主人公で、自分が自分のコマンドどおりに動く開放感を得ることができる。政情不安の国や暗い路地裏など、危険な場所に行かなければ、大抵死ぬこともない。
一人になりたくて一人旅をする人もいる。他人といると疲れてしまうことに気づいた人は、それを癒すためにも一人旅をするべきだ。僕なんかは年に2回は一人旅に出かけないとやる気がなくなってしまう程度には一人になりたい派である。
一人旅の中で、僕は感じるのだ。自分の人生は誰のものでもなく、他人である誰とも関係なく、自分のものである、と。
https://www.jalan.net/news/article/8409/
この絵が秀逸なのは、スナフキンが「僕と」ではなく「僕の言葉と」と言っていることだ。スナフキンは一人旅を好むから、誰かと一緒に行動しない、そんなスナフキンの性格を明確に捉えている。
全部自分でやんなきゃいけないからめんどくさいよって他の人が言うかもしれない。行きたい場所へ行くための、見たい景色を見るための手間くらいは自分でかけてやってもいいじゃないか。心の底から湧き上がる、見たい、行きたい、という純粋で綺麗な欲望を我慢することは、正しいことではない。それは何よりも尊重されるべきだ。
一人旅というのは、他の誰のものでもなく、他の誰も真似できない。僕一人だけが、まさに見ている景色を独り占めできる。行きたくないところに行かなくていい。行きたいところだけに行けばいい。たまたま通りかかった小さな公園やお店で素晴らしい発見があれば、何時間でもそこにいることができる。行ってみたくて行ってみた結果、期待ほどでなかったとしても、ほんの10分だけ写真を撮ってから踵を返すこともできる。
真の意味で、一人旅は僕を自由にしてくれる。
世界一高いオフィスビルこと「ブルジュ・ハリファ」(左端)と、ドバイの摩天楼。僕が見た「世界一」の1つ
何を見に行こうか。悠久の時を物語る美しい自然、太陽の降り注ぐ常夏の真っ白なビーチ、歴史の荒波に晒されながらもその姿をとどめた荘厳なる教会建築、生き物の存在を許さない乾ききった砂漠、今まさに翼竜のごとく飛び上がらんとする眠らない摩天楼…
さあ、テレビでしか見たことのない景色を見に行こう。