ありがとう、さようなら。JR武蔵野線205系がインドネシアへ譲渡
2020年10月26日追記:10月19日、最後の1編成であるM20編成が回送され運用を離脱し、ここに武蔵野線における全ての205系の運用が終了した。
とうとうこの時がやってきた、というのがこのニュースを目にしたときの僕の正直な感想である。JR武蔵野線で長年利用されてきた205系車両がインドネシア鉄道へ譲渡され、その姿を消すことになる。
2020年3月12日追記:2020年3月のダイヤ改正の時点では、少数がまだ引き続き運用されている。しかし後継となるE231系の投入は継続されている(後述)ため、205系の武蔵野線からの引退は時間の問題である。
ラインカラーであるオレンジバーミリオンを身にまとう205系。
武蔵野線で使われている205系は、もともとは山手線で使用されていたものである。山手線に当時の最新鋭車両であるE231系が導入されることから、その多くが武蔵野線へ転属となり、当時使われていた103系を置き換えたのだった。
それまでの武蔵野線205系の動力車比率は6M2Tとなっており、これは乗り入れ先の京葉線において潮見駅~越中島間の急勾配を登りきるためのものであった。その後、山手線からの転属車は制御機器を界磁添加励磁制御からVVVFインバータ制御に改造され、4M4Tの比率となり、これが今の主力である。
東浦和駅に到着する205系。前述の通り、走行機器はVVVFインバータに更新されているが、外観は当時のまま。山手線で使われていただけあって、0番台を含む編成が元気に走っている。
武蔵野線は205系の楽園だった
南武線から転属してきた205系M51編成。武蔵野線に転属してきた205系としては最も新しい。外観がオリジナルと同等、走行機器も界磁添加励磁制御のままで運用されており、登場時の姿と走行音がそのまま残っている。ただパンタグラフはシングルアームに換装されている。
最も多く運用されているタイプの205系。
これからの武蔵野線の車両
武蔵野線としては最新鋭車両となるE231系。既に2編成が投入されている。
今後の武蔵野線のもう1つの主力車両となりうる、209系500番台。209系自体、消費電力半分・寿命半分で開発されたため、当時の使い捨てカメラにかけて「走ルンです」などと揶揄されたが、最近制御機器を更新したようで、使い捨てどころかまだまだ現役で走り続ける。一部の編成は登場時と走行音が異なっている。
外見はE231系とよく似ているが、見分け方は簡単で、先頭車両の外枠が白ければ209系、銀色ならばE231系だ。
総武緩行線で使用される209系500番台。山手線には最新鋭車両であるE235系が大量導入される予定となっており、余剰となったE231系500番台が総武緩行線へ、それによって余剰となったE231系0番台と209系500番台が、武蔵野線へ転入。さらにそれによって余剰となった205系がインドネシアへ渡る、という流れなのだろう。
この編成ももしかしたら武蔵野線へやってくるかもしれない。
山手線に投入される、最新鋭のE235系
山手線の現在の主力であるE231系。これの多くがおそらくその帯の色を黄色に変え、総武緩行線に投入される。
すでに活躍の場を総武線に移した編成もある。
インドネシアで活躍する日本の車両
インドネシアには多くの日本製の車両が稼働しており、その中には千代田線および常磐緩行線で使われていた203系や、埼京線で使われていた205系もある。ちなみに武蔵野線で使われていた103系も一足先にインドネシアで使われており、未だに海浜幕張行きの方向幕を表示しながら走り続けているという。
武蔵野線ユーザとして、205系に慣れ親しんだ者としては少々さびしいが、これも時代の流れだろう。