【乗り鉄記録】しなの鉄道115系に乗って169系保存車両を見に行こうぜ
しなの鉄道115系を乗り納め
しなの鉄道が保有する115系車両は、すでに製造から40年が経過している。老朽化が進んでいることから、自社で運用している115系を2019年度から新型車両に置き換えることを発表したという。
高崎地区と新潟地区で115系の置き換えが一気に進んだことを覚えている鉄道ファンもいることだろう。しかし、JRや東京メトロのように時期が来たら一気に車両更新、というわけにもいかないのが第三セクターの悪いところ良いところである。それは僕たち鉄道ファンが、往時の勇姿をカメラと記憶に残す時間を与えてくれるのだ。
しなの鉄道の115系が引退すれば、関東近郊から115系は完全にその姿を消す。その後は、115系は新潟地区で少数が運用されるのみという事になる。まだ多くが残存している今がチャンスだ。来年からは置き換えが始まってしまう。写真に残すなら今しかない。せっかくなので保存されている169系も撮影しよう。
しなの鉄道全線走破計画
全線走破と言っても、実態は電車に乗っているだけなのであるから気楽なものである。そうは言っても1時間に2本しかないようなローカル線であるので、1本の遅れがその後の行程に大きく響く。僕は計画を練った。早朝の新幹線で長野へ移動、その後戸隠神社と善光寺を観光したあと、長野駅から軽井沢方面へしなの鉄道に乗車。途中の坂城駅で降車し169系を撮影、その後再び乗車し、軽井沢まで向かう行程である。
大宮駅から長野駅まで新幹線で移動する
旅の目的と行程が決まれば、あとはそのとおりに体を動かすだけである。ところどころで、駅撮りを中心に撮影していく。
早朝の大宮駅で成田空港への出発を待つE259系
朝食を買い込み、新幹線ホームへ移動する。下り線の新幹線ホーム南端は、下り方面の新幹線の撮影スポットでもある。時間が少々あったので何枚かパチリ。
上越新幹線として運用されるE2系。順調にE4系新幹線を置換えているようだ。
JR西日本の最新鋭車両W7系。これに乗って長野駅まで向かう。最新鋭だけあって、乗り心地も上々。静かだし揺れない。全席コンセント付きなのも、デジタルネイティブの僕にとってはポイント高い。
戸隠神社への参詣記はこちら。
善光寺への参詣記はこちら。
坂城駅へ、しなの鉄道169系を見に行く
戸隠神社と善光寺の観光を終えた僕は長野駅に戻り、しなの鉄道115系に乗る。169系は坂城駅に保存されているので、ここから坂城駅に向かう。
長野駅には多くの115系が発着する。篠ノ井線直通のE127系電車との並び。
快速運用につく6連の115系。
初代長野色リバイバル塗装の115系。しなの鉄道は、こうしたリバイバル塗装やコラボレーション塗装を度々企画してくれる。
長野駅から30分ほど。坂城駅ホームから169系を撮影。時間帯的にすでに西日であったため、光線状況はこちらのほうが良好だ。
坂城駅で下車。駅舎もなかなか趣がある。
駅を出て右に歩いてすぐ。駐車場の敷地に隣接して169系が静態保存されている。パンタグラフは立っているが架線には接触していない(というか線路も分断されており、架線が存在しない)。博物館以外で、これだけ近くで車両を見られる施設というのも少ないのではないだろうか。屋外保存だが塗装もきれいで、きちんと手入れされていることがわかる。「急行」の表示もいい感じ。
169系の説明の看板。かつてはS51編成として運用され、169系のトップナンバーであるクモハ169-1及びモハ168-1のユニットと、最終ナンバーであるクハ169-27の珍しい編成であるという。
坂城駅構内に保存されている169系の車輪。重さは1500kgもあるという。
かつてはしなの鉄道の主力車両だった169系。本来急行料金が必要な車両に、普通電車の運賃のみで乗れるのが魅力であった。
長野駅で189系特急型電車「妙高号」と並ぶ169系。わずか7年ほど前の写真だが、両者ともに引退済みで貴重な一葉となった。
軽井沢方面の後続の列車が来るまで駅で待機する。長野方面へ向かう115系S9編成(台湾自強号色)という珍しい塗装の編成を撮影。
その後、軽井沢方面に向かう115系S26編成(横須賀色)を撮影。しなの鉄道はいくつかの編成でリバイバル塗装を行っており、上述の初代長野色の編成や、こちらの横須賀色の編成がある。ちなみに湘南色の編成はお隣の戸倉駅に留置されており、走行している姿を見ることはなかった。
軽井沢駅の新幹線ホームから169系を撮影。もともと在来線ホームから見られる位置にあったのだが、移動されたらしい。塗装も湘南色ではなく黄色一色となっている。
かくして僕は大量の115系の写真をゲットし、また169系にもありつけた。しなの鉄道115系の、抵抗制御の重厚な走行音が響くのもあとわずか。来年には置き換えが始まってしまうので、乗り納めは早めに行っておきたい。