とある喪男の雑記ブログ

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日本語教師が不足しているのは激務薄給で待遇が悪いからだ

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日本語教師が不足しているのは待遇が悪いからだ

記事によれば、日本語教師が不足していることにより、留学生にビザが発行されず、母国で足止めとなっているとのことである。当該日本語学校では教師が不足し、授業が行えない状況であるとのこと。当然そのような学生は、入国させても不法就労するかアルバイトに勤しむことになるので、入国させるべきではない。それよりも問題は、教師不足にある。 

日本語教師というのは、「夢のある職業」とされていることが多い。その意味で、実はなり手自体は相当数いたりする。かくいうこの僕もかつては日本語教師をしていたことがあり、ヒューマンアカデミーの講座に通って日本語教師養成講座の修了認定を受け、また合格率20%を下回る日本語教育能力検定に一発合格した実績を持つ、れっきとした有資格者であったりする。何なら大抵の日本語教師は、日本語教師養成講座の修了認定を受けただけの者が多く、僕のようにand条件で検定に合格している日本語教師有資格者はごく少数派である。

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そんな僕がなぜ底辺サラリーマンをやっているのか。それは底辺サラリーマンの待遇よりも遥かに日本語教師の待遇が悪いからに他ならない。

なぜそんなに日本語教師の待遇は悪いのか。まず日本語教師は、数の比率的に圧倒的に多いのが非常勤教師である。非常勤教師は学校を掛け持ちで担当することも多い。その給料はコマ給とされる場合が多く、だいたい1コマ2000円程度が相場である。そして1日4コマ180分(45分×4時間)の授業を行うので、非常勤教師の1日の収入は8000円程度となる。そしてそれ以外の、例えば授業の準備や宿題の採点などに給料は発生しない。特に授業の準備については、担当する文法項目の研究、練習方法、確認方法、漢字、読解なら問題作成、学生との想定問答、レアリア(実物)や絵教材の準備等、やるべきことが非常に多い。授業の準備時間は、授業時間と同じくらいかかるというのが相場である。

よって、日本語教師が1日4コマ8000円を稼ぐのに必要な時間は、準備4時間、学校での授業による拘束時間4時間、授業後の採点や記録雑務で2時間が必要となり、時給換算で800円程度である。高校生のアルバイトよりも低い時給である。生活できないよ。やってられるかこんな仕事。時間と金に余裕のある有閑マダムか、引退して年金もらっている老人にでもやらせておけばいい。そんな仕事を長く続けられるのは、他に収入がある少数派でしかない。僕はたまたま、Webサイト制作やWeb広告の仕事を別に持っていたので、その仕事が続く間は日本語教師を続けることができた。

確かに自分の教えた学生が、学生同士で国籍の壁を超えて日本語で会話していたりすると、すごいな、やっててよかったなと思わないこともない。学生が日本に来てはじめて接する日本人であるという自覚もできたりする。しかしそれの本質は典型的な「やりがい搾取」であり、それによって生活できる報酬を受け取れない限り、僕たち生産年齢の労働者がやるべき仕事ではないのだ。

日本語教育はビジネスとして成立しない

このような場合、通常の企業であればどのように対応するか。待遇を上げるのである。

具体的には、給料を増やしたり、拘束時間を減少させたりといった取り組みである。こうした取り組みを業界全体がやってはじめて、求人に人が集まってくるのである。そうした改善スパイラルが、この業界には機能しない。

理由は明らかで、(1)日本語教師に夢をもって業界に入ってくる人が後を絶たないこと、(2)ベテラン教師が知見の共有をしないこと、(3)学生斡旋業者が暗躍していることなどの理由がある。

日本語教師に夢をもって業界に入ってくる人が後を絶たない

「国際交流」とか「異文化交流」というのはとても美しい言葉である。それを手軽に実現できる職業の1つとして、日本語教師が大々的に紹介される。これからの日本語教師の需要は高止まりが続き、職にありつくには困らない、という文句で多くの日本語教師希望者が資格学校に入学し、日本語教師が大量生産される。その実情は、あまりに待遇が悪くて離職率が非常に高いから需要があるのであり、マーケットが拡大しているからというわけではない。多くの日本語教師希望者は、欧米圏の人に対して教えることを想像するが、実際の学生はアジア圏、とりわけ中国、ベトナムインドネシアの人が多い。ちなみに海外でも日本語教師の求人はあるが、収入は現地の収入水準より高い(8万円程度~)ものの、民間企業の駐在員(日本での給料+海外赴任手当)と比較すると話にならないくらい低い。

とにかく、国際交流とかに夢を持ってしまっているので、資格学校に入学する頃にはその実情を知らないか、認識していても甘く見てしまうものなのだ。こうして夢をもって日本語教育業界に入り、あまりに時間あたりの収入が少ないためさっさと見切りをつける元日本語教師が多いのである。

ベテラン教師が知見の共有をしない

せっかく入職した日本語学校で、ベテラン教師が授業のポイントや知見を共有してくれないことも多い。特に厄介なのが教案(授業実施の台本のようなもの、授業の流れ、例文や学生との想定問答が細かく記載される)で、これらを作るのに、前述の通り、授業と同じくらいの時間がかかる。これらをベテラン教師が新人教師に共有してくれればよいのだが、それを彼らは絶対にしない。それはベテラン教師が、新人の頃から苦労して作成した個人特化型マニュアルのようなものであり、新人教師にやすやすと提供してしまったことで新人が楽に授業を進めてしまおうものなら、ベテラン教師の過去の努力がまるで意味をなさなくなってしまうからだ。

つまり、自分も苦労したのだからお前も苦労しろ、ということである。全近代的すぎて反吐が出る。

学生斡旋業者が暗躍している

日本語学校の経営者は、自分たちで各国の高等学校(に相当する学校)にパイプを持つ人は少数派で、多くは現地の学生斡旋業者(ブローカー)とのコネクションを持ち、そのブローカー経由で学生を募集し、入学させる。ビジネス構造としては、(1)ブローカーが学生を紹介し紹介料を受け取り、(2)学生が日本語学校に授業料を払って授業を受け、(3)そこから経費を差し引いて、経営者の報酬や教師の給料となる。その紹介料、相場はわからないが、各日本語学校で教師が何人いて、学生数が何人で、想定される校舎の家賃がいくらで、授業料がいくらかを計算してみればいい。おそらくそれなりの額がブローカーに支払われているはずで、教師の取り分というのはごく僅かである。

日本語教育業界が変われるか

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そのビジネス構造もそうだが、今後日本語教育業界が日本語教師を充足させるには、どうしたって待遇の改善は不可欠だ。具体的には、働き盛りの年代の労働者が普通に生活できるだけの収入を得られるようにすることだ。それだけで日本語教師はあっという間に充足する。何しろやりがいそのものはそれなりにあるのだから。それに日本語教師にそれだけの報酬を出せば、それだけ優秀な人材が日本語業界に入ってくることもある。そうすれば教師同士の(いい意味での)競争が生まれ、教育の質・教師の質自体も改善していくことになる。

それができないのなら、日本語教育業界などなくなってしまっても困らない。僕たちは今後英語や中国語を話せばいいだけだし、日本という国自体の世界に対してのプレゼンスも低下する一方なのだ。

さてどうする法務省、外務省、文科省、そして日本語学校の経営者どもよ。

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