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とある底辺喪男の社会評論

現代社会の様々な問題点や、政治、経済、金融、教育のあらゆる社会的分野について、好き勝手に評論する若干意識高めのブログです。ただし、論者は底辺喪男です。

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エンブラエル、MRJの競合機E175-E2を2018年上期に納入

航空

 

www.nikkei.com

日本経済新聞電子版、Aviation Wireによると、エンブラエルは、次世代ジェット機E2の納入を、2018年上期に予定すると発表した。

MRJの競合機の納入のほうが早い

このモデルは、三菱重工業が開発中のMRJ三菱リージョナルジェット)のライバル機種となるもので、エンジンはMRJと同じくプラット・アンド・ホイットニー社のPW1000シリーズのギヤードターボファンエンジンを搭載する。
これが何を意味するか。MRJの競合機種にあたるエンブラエルE2が、MRJよりも早いタイミングで納入されることを意味する。一方、MRJの納期は2020年頃だ。MRJより燃費性能の良いRJ(リージョナルジェット)が、MRJより早く市場に供給されるということである。MRJの導入を検討していた航空会社にとっては、ただでさえ納入時期が遅れに遅れているMRJを導入するメリットがさらに薄まってしまうことになる。(ANAJALも、MRJの納入が遅れたため、対応策としてボンバルディアQ400などの複数の小型機を追加発注している)

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ボンバルディアQ400。70席クラスの双発ターボプロップ機だ

MRJのセールスポイントの1つが、当時の新型のギヤードターボファンエンジンを搭載することによる省燃費性能だ。だが、それはあくまでMRJの機体そのものの性能ではなく、エンジンの性能であるから、同じエンジンを搭載すれば、省燃費性能においてMRJとの差はなくなるのだ。そうすると航空会社にとっては、やはりこれまでの開発実績のあるエンブラエルのほうが信頼性に軍配が上がるから、やはりMRJを導入する必要性も薄くなる。

エンブラエル、E195-E2ロールアウト 数カ月以内に初飛行

E175-E2もスコープ・クローズに抵触する

…というところまでは調べて何となく理解したのであるが、1つ僕にはわからないことがある。現在エンブラエルが開発しているE2シリーズは、E175-E2(最大90席、最大離陸重量44.8t)、E190-E2(最大114席、最大離陸重量56.2t)、E195-E2(最大146席、最大離陸重量60.7t)の3シリーズからなっていて、席数としても最大離陸重量としても、MRJ(ここでの比較は、最大88席、最大離陸重量42.8tのMRJ90LR)の競合機として該当するのはE175-E2である。ここで言及しておかなければならないのは、米国内大手航空会社と地域航空会社の運用協定「スコープ・クローズ」の存在である。スコープ・クローズの制限基準は、「最大76席、最大離陸重量39t」であるから、MRJと同じように、E175-E2もスコープ・クローズに抵触することになる。こうした場合、米国内において今まさにMRJが直面しているのと同じように、E175-E2も、導入において問題になってしまうのではないだろうか。エンブラエルの技術力と交渉力で、そこもどうにかなってしまうのであろうか。

それらのことを考慮すると、エンブラエルの次世代ジェット機の納入については、あくまでそれの目処が立ったというだけで、MRJの導入状況が致命的になったほどのことではないようにも思えてくる。

MRJの不利は変わらない

どちらにしても、いよいよMRJは苦しい立場になったと言っていい。先日の量産計画の縮小発表もあいまって、商業飛行の成功は遠くなってしまったと思われる。とりあえず飛ばせるだけの品質を担保し、(もし次があるのなら)次々世代旅客機の開発に向けての知見の蓄積としてもよい。

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