非モテ恋愛弱者のブログ

旧「非モテ系のままで生きていくブログ」から、恋愛弱者男性ブログに進化しました。レベル36の限界中年/異常独身/非モテのブログ。もう人生折り返しました。残りの人生を頑張らないで生きていこうと思います。なおこのブログには、モテる方法は1つも書いていません。

☆スポンサードリンク☆

デルタ航空の成田便縮小はジャパン・パッシングではない

こんな記事が目に留まった。

toyokeizai.net

 

アメリカ航空大手のデルタ航空は、現在運行している、成田空港~ニューヨーク、ミネアポリス、ロサンゼルス、バンコク、関西の5路線を今月(2016年10月)に撤退するというのである。

デルタ航空が中国・韓国にシフト

f:id:junny-policies:20161004205722p:plain

記事の中では、デルタ航空の成田空港発着便の減便は、これまで成田空港をハブ空港として利用してきた当社が、韓国・中国へシフトの表れであるといっている。とくに韓国の仁川国際空港発着便が増えていることから、デルタ航空における成田空港のプレゼンスが低下してきており、ひいては日本が素通りされてしまう(ジャパン・パッシング)の引き金となるのではないかと懸念している。

デルタ航空は、航空会社が加盟するアライアンスにおいてはスカイチームに属しており、大韓航空(韓国)やエールフランス(フランス)、アエロフロート(ロシア)などと提携している。そしてこのスカイチームにおいて、日本の航空会社は1つも加盟していない。

航空会社のアライアンス加盟

全日本空輸ANA)はユナイテッド(アメリカ、旧コンチネンタル航空)やルフトハンザ(ドイツ)が属するスターアライアンスに属しており、欧州路線や北米路線はコードシェア便を運行するなどの提携を行っている。同じく日本航空JAL)も、アメリカンエアラインズ(アメリカ)、カンタス航空(オーストラリア)などが加盟するワンワールドに加盟し、互いに提携している。

個人的には、スターアライアンスは欧州・アジア路線に強く、ワンワールドは北米・オセアニア路線に強い傾向があると思っている。スターアライアンスのアジア路線は、全日空の他、タイ国際航空シンガポール航空がアジア中に充実した路線網を張っている。欧州路線であれば、アラブ首長国連邦アブダビ乗継便とはなるがエティハド航空の航空券が安価で入手できる。時期によってはアジア路線と同価格帯で欧州行きのチケットが入手できるのは大きなメリットだ。フランクフルトやミュンヘンをハブにして欧州中へアクセスできるルフトハンザも利便性が高い。

デルタ航空における日本事業の重要性

話をもどして、デルタ航空について考えるのであれば、日本の大手航空会社とは提携をしていない。一度スカイマークが経営危機に陥った際に、出資の手を上げたのはデルタ航空であったが、紆余曲折あってスカイマークANAの傘下となってしまったことは記憶に新しい。

この点において、デルタ航空が日本の空で事業展開するマネタイズポイントというのは、成田空港をハブにした以遠権と、日米間の太平洋路線のビジネス顧客の確保くらいしかなくなったのである。

f:id:junny-policies:20161004205345j:plain

記事にあるように、頼りの日米間の太平洋路線が不振ということであれば、それを縮小することは合理的な経営判断と評価してよいはずである。また、アライアンスを同じくする大韓航空と連携することにより、北米~ソウル~アジア各都市という路線網の拡充が見込めるというメリットもある。大韓航空の路線網は、やはりアジア路線も充実しているから、コードシェア便などが運行できれば、北米からアジアへの移動の利便性が大きく向上するに違いない。

f:id:junny-policies:20161004204502p:plain

https://www.koreanair.com/content/dam/koreanair/ja/Photos/event/201512/1216/map_16.02.pdf

デルタ航空のソウルへのシフトは、考える限りメリットしか思いつかない。むしろ今までなぜ実施してこなかったのか不思議なくらいである。

ジャパン・パッシングとは結びつかない

この東洋経済の記者は、その冒頭で「日本の地盤沈下の反映なのか」と記している。ここでいう「地盤沈下」が、デルタ航空にとっての日本市場のプレゼンスの低下を指しているのであれば、おそらくその感想は正しいであろう。記者はジャパン・パッシングの懸念を表明しているが、少なくとも僕には、デルタ航空の成田路線縮小という事象が、ジャパン・パッシングにつながっていくとは思えないのである。そもそも日本の航空会社と提携していない以上、デルタ航空においては事業の拡大に限界がある、というだけの話である。

航空業界におけるジャパン・パッシングの懸念は、ユナイテッドやアメリカン航空などの、日本の航空大手と提携している航空会社が減便なするなどの事態となれば、いよいよ表面化するであろう。彼らもビジネスで路線展開しているのであるから、撤退する時はさっさと撤退してしまうであろう。そうならないように、僕は日本の航空行政において、成田空港・羽田空港を中心とした日本の空の利便性の維持向上を期待したい。

☆スポンサードリンク☆