非モテ恋愛弱者のブログ

旧「非モテ系のままで生きていくブログ」から、恋愛弱者男性ブログに進化しました。レベル36の限界中年/異常独身/非モテのブログ。もう人生折り返しました。残りの人生を頑張らないで生きていこうと思います。なおこのブログには、モテる方法は1つも書いていません。

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インフレターゲット2%達成のためには経済・財政政策が必要である

日銀は、インフレターゲット2%を目指して現在進行形で「異次元金融緩和」を継続している。これは世間一般で言うところの「アベノミクス」における「3本の矢」の1つである金融緩和の目標とされている。僕は、実はこのインフレターゲットの政策は、現状のままでは全く意味を為すものではないと考えている。

インフレターゲットとはそもそも何か

まず、インフレターゲットの概念を理解しなければならない。まず、インフレ(インフレーション)というのは物価の上昇を意味する。長期間に渡りデフレ(デフレーション:物価の下落)状況下にあった日本経済においては、物価の下押し圧力が強く、なかなか物価が上昇しないまま推移してきた。物価が下落する→企業の売上が上がらない→労働者の賃金が抑制される→消費者の購買力が低下する→モノ・サービスが購入できない→物価が下落する→最初に戻る、というデフレスパイラルという現象が、日本経済の重しになっていた。それならば物価を上昇させ、それにより賃金が上昇すれば、企業の売上も上昇し、消費者の購買力が回復してくる、その結果景気が上昇する、という状況(インフレスパイラル)を作り出せればよいと考えるのである。そこでこれを達成するため、具体的に物価をどれだけ上昇させればよいのか、という概念となるのがインフレターゲットであり、定量的な基準として2%という基準が与えられたのである。
ちなみに、上記でいうインフレスパイラルを唱えるマクロ経済学派を「リフレ派」と呼び、アベノミクスは一般的にはリフレ派の政策であるとみなされている。

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需要と所得の重要性

さて、我々消費者が消費活動を行うにあたって、必要な要素を見出すとすれば、そのモノやサービスを購入したいと思うモチベーション(=需要)と、それを購入することができるだけのマネー(=所得)である。需要と所得が釣り合ったとき、消費者ははじめて消費活動を行うのである。この点を考慮に入れていくのであれば、インフレターゲットによって物価が上昇しても、需要と所得がそれに追いついていかなければ、消費は伸びず、その結果いずれ物価は下落していくに違いない。つまるところ、インフレターゲットの政策は、需要の喚起と所得の上昇または安定化が必要なのであり、それらがなければ機能しない政策であると考えられる。

インフレターゲットというのはあくまで金融政策であり、金利を下げ、マネーサプライを増加させる手段でしかない。消費を行うための原動力となる需要の有無については、インフレターゲットの概念上、一切考慮されないのである。そして、日銀にできることというのは、この程度であろう。彼らは金融政策がその管轄領域であり、需要喚起や所得上昇というのは経済政策または財政政策であるのだから、後者に関しては明らかに政府の管轄領域だからである。

つまるところ、僕が主張したいのは、金融政策においては経済政策または財政政策を必然的に伴うものであり、それらを伴わない金融政策はベースマネーが増加するだけで、個人消費や設備投資の促進に一切貢献しない、ということである。

需要と所得の増加促進が前提のインフレターゲット政策

このように考えると、需要の増加と所得の上昇がインフレターゲット2%達成のキーファクタであるように思えるが、現在の安倍政権はどのように需要を創り出す政策を打ち出しているだろうか。僕はまったくそうは思わない。なぜなら消費を抑制させる政策である増税を行ったからである。少し遡るが、とくに2014年4月の消費税の増税は、消費マインドを抑制させるには十分なインパクトがあったし、消費を回復させることが目的であるならば、減税が最も効果的な政策である。しかし、安倍政権の主張は、「もはやデフレではない」ということであり、デフレでない以上減税政策をとることに正当性はない、という主張であるから、今後も経済政策や財政政策が、金融緩和と足並みをそろえて打ち出されることはないであろう。

いやもしかしたら安倍政権のジョークかもしれない。「もはやデフレではない(=そろそろインフレになりつつある)」のではなく、「もはやデフレではない(=そろそろスタグフレーションになりつつある)」だったらどうしよう。だめじゃん。

経済政策と財政政策が金融緩和に伴ってこない限り、インフレターゲットによる物価の上昇はいつまでたっても実現できないであろう。日銀が先日(2016年9月)の金融政策決定会合で、インフレターゲット2%達成目標の達成期限を明記しなくなったのは、おそらく日銀にできることは金融政策に限るため、それを実際に進めるためには政府が経済政策を打ち出せ、というメッセージであるに違いない。
我々消費者は、政府が経済政策について無策である限り、金融緩和によって(自分とはまったく無関係な)株価が上昇するさまをただ見守るしかないに違いないだろう。

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